福岡県におけるカキ主要品種の果肉中のβ-カロチンおよびリコピン含量の特徴

 [要約] 本県の甘ガキ主要品種「富有」、「松本早生富有」、「伊豆」、「西村早」は、渋ガキ品種「刀根早生」、「平核無」に比べて、果肉中にリコピンβ−カロチン等の機能性成分が多く含まれ、果皮色の赤みが強い。

 園芸研究所・果樹部・落葉果樹研究室  [連絡先]092-922-4111
 [部会名]生産環境  [専門]加工利用  [対象]果樹類  [分類]行政
 
[背景・ねらい]
 最近、トマト、ニンジン等に含まれるカロチノイドであるリコピン、β−カロチン等は、発ガン抑制作用や抗酸化作用等の機能性を有することが明らかにされ、注目されている機能性成分である。一方、本県は全国一の甘ガキ産地であるが、主要品種の「伊豆」、「松本早生富有」と、近年他県で生産量が増加している渋ガキ品種の「刀根早生」、「平核無」の出荷時期が重なり、甘ガキの消費量が低迷している。そこで、本県産カキの主要品種と渋ガキ品種についてこれらの機能性成分含量を明らかにし、甘ガキの消費拡大のためのPR資料とする。
 
[成果の内容・特徴]
 1 本県の甘ガキ主要品種である「富有」、「松本早生富有」、「伊豆」、「西村早生」は、渋ガキの「刀根早生」、「平核無」に比べて、果肉中のリコピンおよびβ−カロチン含量が多く、成熟期の果皮色の赤みが強い(図1、2)。
 2 「西村早生」は、他の5品種に比べて、β−クリプトキサンチン含量が多い(データ略)。
 
[成果の活用面・留意点]
 1 福岡県産カキの主要品種の消費拡大のためのPR資料として活用する。
[具体的データ]
 
 
[その他]
 研究課題名:カキの品種及び栽培条件と機能性成分
 予算区分:県特
 研究期間:平成10年度(平成8〜12年)
 研究担当者:牛島孝策、千々和浩幸、林公彦
 発表論文等:平成9、10年度園芸研究所果樹部果樹関係試験成績書、
       平成9、10年落葉果樹試験研究成績概要集(農水省果樹試編)
       園芸学会雑誌第67巻別冊2、第68巻別冊2