花粉媒介用箱ミツバチのイチゴハウス導入時の適正蜂量

[要約]
 促成イチゴ栽培においてミツバチをポリネーターとして利用する場合、1蜂群当たりの蜂量は単板4〜5枚入りで9千頭前後とし、導入群数は面積10a程度のハウスでは1群を導入し、花粉媒介を安定させる。

畜産研究所・飼料部・家畜栄簑研究室 [連絡先]092−925−5231
[部会名]畜産 [専門]飼育管理 [対象]家畜類  [分類]普及
 
[背景・ねらい]
 ミツバチは、本県の基幹作物イチゴの生産において、花粉媒介のために利用されているが、奇形果が冬の低温期の腋果房(2番果)に多発する傾向があり、良質果実を安定生産するうえでの課題となっている。そこで・ミツバチによるイチゴ花粉媒介の安定を図るため、蜂量が訪花活動に及ぼす影響及びハウス導入時の適正蜂量を明らかにする。(要望機関名:筑豊家保、畜産課(H7))
 
[成果の内容・特徴]
1 イチゴハウス(4a程度)に導入するイチゴ花粉媒介用ミツバチの蜂量は、訪花状況面から6千頭以上であれば問題ないが、春の建勢状況から判断して9千頭前後が適当である(表1,2)。
2 ハウス面積10aの場合、1小花当たりの訪花回数は10回前後と同4aの場合と比較して1/2以下に低下するが、導入群数の増加による差がなく、導入群数は1蛙群でよい(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1 イチゴ花粉媒介用ミツバチの放飼技術として活用する。
2 10a程度のハウスにおいて、農薬散布や低温により蜂群の活性が低下している場合、1蜂群を追加導入する。
 
[具体的データ]
 
[その他]
研究躁題名:ハウス導入時の適正蜂量の解明
予算区分:経常
研究期間:平成10年度(平成9〜10年)
研究担当者:大石登志雄
発表論文等:平成9,10年産畜産関係試験成績書