横斑プリマスロックを素材とした新地域特産肉用鶏の飼育管理技術と食味の特長

[要約]
 新地域特産肉用鶏(BP×WR)×WRを効率的に飼育するためには、飼育密度を40羽/3.3m 、飼育期間を63日とする。また、飼育後期の給与飼料は植物蛋白飼料でメチオニン含有率を0.52%とする。当該飼育方法による肉の食味は味と好ましさでブロイラーより評価が高い。

畜産研究所・中小家畜部・家きん研究室 [連絡先]092-9255177
[部会名]畜産 [専門]飼育管理 [対象]家禽類 [分類]普及
 
[背景・ねらい]
 横斑プリマスロック(BP)とホワイトロック(WR)の交雑により開発した新地域特産肉用鶏(BP×WR)×WRの普及定着と安定的生産のためには、鶏の生産能力と特性を把握し、生産段階における適正な飼育管理技術を明らかにする必要がある。そこで、この新地域碕産肉用鶏の実用化に必要な飼育管理、飼料組成および食味の特長について明らかにする。
 
[成果の内容・特徴]
1 飼育密度は、3.3u当たり40羽の場合に飼料要求率が最も優れる。飼育期間63日で出荷可能な体重および正肉歩留に達するが、70日では正肉歩留の伸びが鈍化し、腹腔内脂肪が増加することから、標準的飼育期間は63日が適正である(表1,2)。
2 飼育後期(22〜63日齢)に給与する蛋白飼料中のメチオニン含有率は通常0.32%であるが、植物蛋白飼料では、これを増量し、0.52%とした場合に増体が最も優れ、飼料中のタンパクおよびエネルギーの利用効率も向上する;(表3)。
3 食味は、ブロイラーと比較して素焼き、スープともに味と好ましさの点で有意(P<0.05)に優れる(表4)。
 
[成果の活用面・留意点]
1 新地域特産肉用鶏の普及定着に必要な飼育管理マニュアルを作成し、生産現場での飼養管理技術として活用する。
2 飼育前期(1〜21日齢)にはCP22%、ME3.08Mca1/kgのブロイラー用市販前期飼料、後期(22〜63日齢)にはCP18%、ME3.10Mca1/sのブロイラー用市販植物蛋白飼料を用いる。
3 鶏の性質は温和であり、悪癖は発生しないのでデピークの必要はない。
 
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題:地域特産肉養鶏実用化のための適正飼料組成
予算区分:経常
研究担当者:前田統幸、西尾祐介、村上徹哉、福原絵里子、津留騎正信
発表論文等:平成8〜10年度畜産関係試験成績書