イノブタの母豚の品種の違いによる発育特性
 
[要約]
 イノシシ雄を大ヨークシャー種雌と交配したイノブタ(WBo)とデュロック種雌に
交配したイノブタ(DBo)では、飼料要求率はWBoの90kg出荷が優れ、1日平
均増体重はDBoが90s、105s出荷とも優れている。ロース断面積はWBoが9
0kg,105s共に優れている。
 
畜産研究所・中小家畜部・養豚研究室 連絡室:092−922−4100
部会名:畜産 専門:飼育管理 対象:家畜類 分類:指導
 
[背景・ねらい]
 最近の養豚経営では、消費者の高品質志向に応えるため、銘柄豚の生産が盛んに行わ
れ、産地間競争が激しくなっている。このような中で、中山間地の農家では、肉質に特
徴を持つイノシシを利用した新しい地域特産品としてのイノブタ生産が期待できる。そ
こで、生産性の優れたイノブタを生産するために、イノシシを交配する雌豚の品種およ
び出荷体重の違いと発育特性の関係について明らかにする。
 
[成果の内容・特徴]
 1 WBoでは、出荷体重90kgが105kgに比べて雌雄平均肥育期間は24日
間短く、飼料要求率は優れている。1日平均増体重、ロース断面積には出荷体重の違い
による差はない(表1)。
 2 DBoでは、出荷体重90sが105sに比べて雌雄平均肥育期間は32日間短
く、飼料要求率はやや優れている。1日平均増体重には大きな差はない(表2)。
 3 交配品種による比較では、飼料要求率はWBoが出荷体重90sで優れているが
105kgにおいては差がない。1日平均増体量はDBoが90kg,105kgとも
に優れている。ロース断面積はWBoが90s、105kg共に優れている(表1,2)
 
[成果の活用面・留意点]
 1 イノブタ飼育管理のための指針作成に活用する。
 
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名:イノブタの生産及び飼養管理技術
予算区分: 経常
研究期間:平成9年度(平成7〜10年度)
研究担当者:村上徹哉、山本英二、大和碩哉
発表論文等:平成9年度畜産関係試験成績書