エクストルーダ処理した大豆粕の給与による子豚用前期飼料費の低減

[要約]エクストルーダ処理した大豆粕と乾燥ホエーを蛋白質原料とした子豚用前期飼料の給与は、脱脂粉乳飼料を給与した場合に比べて、増体に差が無く、飼料コストが21%程度下がる。


畜産研究所・中小家畜部・養豚研究室 [連絡先]092−922−4100
[部会名]畜産 [専門]動物栄養 [対象]家畜類 [分類]普及


[背景・ねらい]

市販の子豚用前期飼料の蛋白質原料は、脱脂粉乳が主体として使用されている。種豚や肥育豚用飼料の蛋白質原料は、比較的安価で入手しやすい大豆粕が使用されているが、子豚では大豆粕中の抗原性物質による消化阻害によって、発育性が悪くなる。そこで、大豆粕をエクストルーダで加圧処理することにより、抗原性物質の低減と消化性の改善を図り、脱脂粉乳の代替品としての大豆粕の利用法について明らかにする。

[成果の内容・特徴]

1 エクストルーダ処理をしない大豆粕飼料を給与した子豚の増体重は、脱脂粉乳飼料を給与した子豚に比べて劣る。また、エクストルーダ処理をしない大豆粕飼料を給与した子豚の飼料要求率は、脱脂粉乳飼料を給与した子豚に比べて劣る(表1)。
2 エクストルーダ処理した大豆粕飼料を給与した子豚の増体重は、脱脂粉乳飼料を給与した子豚に比べて劣る。また、エクストルーダ処理した大豆粕飼料を給与した子豚の飼料要求率は、脱脂粉乳飼料を給与した子豚に比べて劣る(表2)。
3 エクストルーダ処理した大豆粕に乾燥ホエーを加えた飼料を給与した子豚の増体重は、脱脂粉乳飼料を給与した子豚に比べて差がない。子豚1頭当たりの飼料費はエクストルーダ処理した大豆粕に乾燥ホエーを加えた飼料が、脱脂粉乳飼料に此べ21%程度安くなり、子豚用前期飼料の低コスト化が図られる(表3)。

[成果の活用面と留意点]

1 養豚農家が子豚用前期飼料を自家配合する場合の技術指針として活用する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題:大豆粕を利用した子豚用人工乳の開発
予算区分:経常
研究期間:平成9年度(平成7〜9年)
研究担当者:山本英二、村上微哉、大和碩哉
発表論文等:平成7〜9年度畜産関係試験成績書