酵素添加飼料給与による肥育豚ふん排泄量の軽減

[要約]酵素(ペクチナ−ゼ主体)を市販飼料に添加し、肥育豚に給与すると消化率は向上する。その結果、飼料要求率が改善され、生ふん排泄量は21〜41%軽減する。

畜産研究所・中小家畜部・養豚研究室 [連絡先]092-922-4100
[部会名]畜産 [専門]飼育管理 [対象]家畜類 [分類]普及

[背景・ねらい]

養豚農家では、ふんは乾燥、発酵処理を行っているが、多大な労力と処理施設に大きな費用を投入している。このようなことから、環境への影響を小さくし、処理労力と経費の節減を図るため、ふん排泄量を軽減させる必要がある。
そこで、飼料に酵素(ペクチナ−ゼ主体)を添加し、肥育豚に給与することにより、消化率およびふん排泄量に対する酵素の効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
@市販飼料(TDN74.5%、DCP12.7%)に酵素(主にペクチナ−ゼ)を0.2、0.5%添加し、肥育豚に給与すると、乾物の消化率は3.2〜5.7%向上する(表1)。

A飼料要求率は酵素添加割合の増加に伴って良くなり、酵素0.2%添加で無添加より0.1、0.5%添加では0.19低くなる。飼料費は酵素を添加すると若干高くなる(表2)。

B生ふん排泄量は酵素0.2%添加給与で21%、0.5%添加給与で41%、いずれも有意に軽減できる(表3)。

[成果の活用面・留意点]

肥育豚で飼料の消化率の向上によるふん排泄量軽減技術として活用する。
[具体的デ−タ]

[その他]
研 究 課 題 名:飼料素材が豚ふん排泄量と肉質に及ぼす影響
予 算 区 分:経常
研 究 期 間:平成8年度(平成6〜8年)
研 究 担 当 者:大和碩哉、佐藤充徳、山本英二
発 表 論 文 等:平成8年度畜産関係試験成績書