乾物率増加による乳牛用TMRの発熱抑制及び採食率低下防止

[要約]乾物率を80%まで高めた乳牛用TMRは、ATF製剤が無添加でも調製後48時間までは発熱が抑制され、採食率は高く、嗜好性は低下しない。


畜産研究所・大家畜部・乳牛研究室[連絡先]092−925−5231
[部会名]畜産 [専門]飼育管理 [対象]家畜類 [分類]指導


[背景・ねらい]

県内の乳牛飼養農家において、TMR(混合飼料)の給与が普及しているが、夏場には調製後のTMRが発熱して変改したり牛の嗜好性が低下しやすい。生産現場においては発熱抑制剤の添加や調製回数を増すことによりTMRの発熱防止が図られているが、コストが高く、調製に手間がかかっている。そこで、低コストで省力的なTMR給与技術を確立するため、TMRの乾物率及びATF(ギ酸アンモニウム)の添加の有無が調製後の発熱及ぴ採食率に及ぼす影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

1 乾物率を80%まで高めて調製したTMRは、ATFを無添加でも、調整後48時間まではほとんど発熱せず、採食率は高く、嗜好性は低下しない(表1,2)
2 乾物率の低いTMRは、ATF無添加の場合、調製後6時間以降に発熱が開始し、48時間保存後の採食率が約40〜60%に低下する(表1,2)。

[成果の活用面・留意点]

1 農家が暑熱期にTMRを調製・給与する際の発熱抑制対策の参考として利用する。
2 本試験に供試したTMRは、すべて乾草を用いて調製した。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:フリーストール牛舎の省力的作業システム
予算区分:国庫(地域基幹)
研究期間:平成9年度(平成6〜10年)
研究抵当者:磯崎良寛、柿原孝彦、原田美奈子、古賀康弘
発表論文等:平成9年度畜産関係試験成績書