交雑種去勢牛における早期出荷のための育成・肥育前期の粗蛋白質給与水準

[要約]交雑種去勢牛(黒毛和種×ホルスタイン種)を7ヵ月齢の早期から肥育開始し、給与飼料中の粗蛋白質含量を7〜10ヵ月齢の育成期18%、11〜15ヵ月齢の肥育前期15%と高くすると、22ヵ月齢時の出荷体重が 720kg以上、枝肉重量430kgに達する。

畜産研究所・大家畜部・肉用牛研究室

 連絡先

092-925-5232

部会名
 

畜  産
 

専門
 

飼養管理
 

対象
 

肉用牛
 

分類
 

指 導
 
[背景・ねらい]
 県内の交雑種牛(黒毛和種×ホルスタイン種)の飼養頭数は、肥育牛頭数の3分の1以上まで増加し、県産銘柄牛肉生産の基幹の一つとなっている。しかし、枝肉価格が低迷する現状の中、生産効率を向上する肥育技術が望まれており、家畜改良目標(福岡県、17年度目標:交雑種牛、22〜24ヵ月齢、720〜730kg、1日増体重1.07kg)においても出荷月齢の早期化が挙げられている。
 そこで、交雑種去勢牛における早期肥育開始および肥育開始から肥育前期までの飼料中粗蛋白質含量の違いが、22ヵ月齢出荷時の肥育成績に及ぼす影響を検討し、早期出荷技術の確立に資する。                  (要望機関名:畜産課(H9))
 
 
[成果の内容・特徴]
1. 生後7ヵ月齢の早期から肥育開始し、肥育用混合飼料を飽食給与する。給与飼料中の粗蛋白質(CP)含量を育成期(7〜10ヵ月齢)18%−前期(11〜15ヵ月齢)15%と高くすると、乾物摂取量、日増体量は増加し、22ヵ月齢の出荷体重が 720kgに増体するとともに、枝肉重量も増加する(表1表2表3)。
 
2. 肉質の指標であるBMS No.、BCS No.、きめ締まり等級およびロース芯の理化学的性状については、育成〜肥育前期のCP含量の違いによる有意な差は認められない。(表3)。
 
 
[成果の活用面・留意点]
1.交雑種去勢牛肥育における早期出荷技術として飼養管理マニュアルに登載して利用できる。
 
[その他]
 研究課題名:肥育期間短縮化における高品質牛肉生産技術
 予算区分:経常
 研究期間:平成11年度(平成9〜11年)
 研究担当者:古賀鉄也、平嶋善典、磯崎良寛
 発表論文等:平成11年度畜産関係試験成績書