イチジクの発芽期から秋果収穫始期までの有効積算温度
- [要約] イチジク「桝井ド−フィン」及び「蓬莱柿」の発芽期から秋果収穫始期までの有効積算温度はほぼ一定で、特に
0〜10℃以上の積算温度の変動が小さい。発芽期から秋果収穫始期までに要する温度は、「桝井ド−フィン」は
5℃以上の積算温度で2020℃、「蓬莱柿」は 0℃以上の積算温度で2990℃が目安となる。
- 豊前分場・果樹研究室 [連絡先] 09302-3-0163
- [部会名]園芸 [専門]栽培 [対象]果樹類 [分類]指導
[背景・ねらい]
- イチジクの秋果は結果枝の基部節から上位節に向かって順次成熟し、収穫期間は
2ヵ月以上に及ぶ。この間、気温、降雨等の影響によって成熟期や品質が変動しやすく、特に収穫始期は年次間の変動が大きい。この時期は毎年盆前後に当たり、市場単価が高いことから収穫始期の変動が収益性に及ぼす影響は大きく、また計画的な収穫・出荷を行う上でも収穫始期を予測することが必要となる。イチジクの果実の成熟は温度との関連性が深く、着果から成熟までには一定の温度が必要とされている。そこで、イチジクの果実の収穫始期を予測するため、発芽期から収穫始期までに必要な積算温度を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
@イチジク「桝井ド−フィン」及び「蓬莱柿」の発芽期から秋果収穫始期までの有効積算温度は年次に関わらずほぼ一定であり、特に
0〜10℃以上の積算温度の変動が小さい(表1、2)。
A発芽期から秋果収穫始期までに要する温度は、「桝井ド−フィン」は 5℃以上の積算温度で2020℃、「蓬莱柿」は
0℃以上の積算温度で2990℃が目安となる(表1、2)。
Bイチジクの発芽期から夏果収穫始期までの有効積算温度は秋果に比べて低いが、年次による変動が大きい(デ−タ略)。
[成果の活用面・留意点]
@イチジク秋果の収穫始期を予測する際の資料として活用する。
[具体的デ−タ]
- [その他]
- 研究課題名:果実品質の変動要因の解明
- 予 算 区分:経常
- 研 究 期間:平成8年度(平成8〜12年)
- 研究担当者:矢羽田第二郎・野方仁
- 発表論文等:平成8年度豊前分場果樹試験成績書