[背景・ねらい]
[成果の内容・特徴]
@降ひょうにより葉に損傷被害を受けたカキ樹は、放任しておけば被害後約1週間頃より新梢の頂芽付近の腋芽が動き始め、10日後以降には副梢が発生する。しかし、被害後に新梢を基部付近の定芽まで切り返した枝は副梢の発生時期が遅れるうえ発生率が低く、副梢の長さは放任枝から発生した副梢より短い(表1)。
A休眠期の1結果母枝当たりに分化した花芽数は、ひょう害を受けた樹で無被害樹より少なくなるが、被害程度による分化数への影響は少ない(図1)。
B発芽後の着蕾数は休眠期の花芽数よりも減少する。また、前年のひょう害の程度が比較的軽くても、前年の着果数が多いと着蕾数は少なくなる(図1)。
C降ひょうによって葉に損傷被害を受けた樹では、不定芽由来の結果母枝や被害後に新梢の頂芽付近から発生した副梢に花芽が多く分化するので、せん定時にこれらの枝を結果母枝として使用することで、次年度の着蕾数が確保できる(表2)。
[成果の活用面・留意点]
@開花期にひょう害を受けたカキ樹の事後対策に活用する。
Aひょう害を受けた樹は、発生した副梢や不定芽を利用してできるだけ早く葉数を確保する。1新梢上に複数発生した副梢は、生育の悪いものを整理し、残った副梢の充実を促す。
B被害樹は次年度の着蕾確保のため落果が終息したら被害程度に応じて摘果する。
[具体的データ]
[その他]