日本ナシの新品種「筑波45号」、「筑波48号」の特性 |
[要約]農林水産省で育成された日本ナシの新品種「筑波45号」は、 8月中旬に収穫可能で糖度が高く、日持ちの良い赤ナシである。「筑波48号」は、10月中旬から下旬に収穫可能で果肉が軟らかく、果形が紡錘形の晩生の赤ナシである。 |
園芸研究所・果樹部・落葉果樹研究室 |
連絡先 |
092-922-4946 |
部会名
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園 芸
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専門
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栽 培
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対象
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果樹類
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分類
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指導
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[背景・ねらい]
本県の日本ナシの品種構成は、「幸水」と「豊水」が栽培面積の63%を占めている。これらの品種の収穫期にナシの出荷量が集中し、収穫労力の不足等の問題が起こっている。また、既存の晩生ナシ品種は、果肉が硬く食味の劣るものが多い。そこで、農林水産省育成の新品種で、このような問題に対応できると考えられる「筑波45号」および「筑波48号」の特性を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
1.「筑波45号」は、収穫期が 8月中旬で「幸水」の収穫後半から「豊水」の収穫前となる赤ナシで、糖度が12.7%と高く、「豊水」よりも日持ち性の優れた品種である( 図 1、 表 1)。
2.「筑波48号」は、収穫期が10月中旬から下旬の赤ナシで、果実重が600g程度と大きく、晩生ナシとしては果肉が軟らかく、糖度が高い品種である。日持ち性が60日と優れ、果形が中国ナシに似た紡錘形である( 図 1、 表 1)。
[成果の活用面・留意点]
1.種苗登録後に品種選定の資料として活用できる。
2.「筑波45号」は、花芽の着生が少〜中であるため、予備枝設定、夏季新梢誘引による花芽確保に努める。若木では条溝果の発生が多いため、仕上げ摘果を遅らせ果形の良い果実を確保する。
3.「筑波48号」は、若木では樹勢が強く花芽の着生が少ないため、樹冠拡大を図り樹勢を落ちつかせて花芽を確保する。
[その他]
研究課題名:育成品種適応性試験(ナシ)
予算区分:経常
研究期間:平成11年度(平成 4〜11年)
研究担当者:牛島孝策、林公彦、千々和浩幸
発表論文等:平成5〜11項年度果樹関係試験成績書、平成5〜11年度果樹系統適応性・特性検定試験成績検討会資料
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