ブドウ品種「翠峰」の優良無核果実生産のための花穂の切りつめ程度
[要約]
ブドウ品種「翠峰」の無核果実生産での花穂の切りつめは、満開期(第1回ジベレリン処理時)の花穂の長さが3cmとなるように行う。さらに、1房に30〜35粒を着粒させることで、密着し外観の優れた果房を作ることができる。
園芸研究所・果樹部・果樹品種研究室 [連絡先]092-922-4111
[部会名]園 芸 [専門]栽培 [対象]果樹類 [分類]指導
[背景・ねらい]
四倍体ブドウの無核果実生産では、第1回ジベレリン処理直前の花穂の切りつめ程度が適正であるかどうかによって果房の大きさばかりでなく、果房の外観の良否まで決定される。
「翠峰」の無核果実生産でも、脱粒を防ぎ、果実の輸送性や外観を良好に保つため、果粒を密着させ、コンパクトにまとまった果房を作る必要がある。このため、果房重が400g〜500gの密着した果房を作るために最も適した花穂の切りつめ程度を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
1 満開期(第1回ジベレリン処理時)の花穂の長さを3、4、5cmの3段階に調整したとき、着粒の密度は着粒数により適正な密度に調整できるが、果房形と総合的な評価では3cmとしたときが最も良好な果房が得られる(表1)。
2 満開期(第1回ジベレリン処理時)の花穂の長さを3cmに調整したとき、20粒程度の粒数では着粒の密度が十分ではないが(データ略)、30〜35粒着生すると適度に密着した果房が得られる(表1)。
[成果の活用面・留意点]
1 「翠峰」の優良果実生産のための指導資料として活用できる。
2 花穂は開花初期にあらかじめ約3cmに切りつめておき、満開期(第1回目のジベレリン処理時)に伸長した花穂を3cmに再調整する。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:新品種「宝満」、「博多ホワイト」、「翠峰」及び「陽峰」の栽培技術の確立
予算区分:経常
研究期間:平成10年度(平成5〜10年)
研究担当者:平川信之、白石美樹夫、井樋昭宏、粟村光男、鈴木勝征、能塚一徳
発表論文等:平成9〜10年度園芸研究所果樹部果樹関係試験成績書