ブドウ品種「博多ホワイト」の優良果房生産のための花穂の切りつめ方法

[要約]
 ブドウ品種「博多ホワイト」は、開花直前に花穂の先端を2cm切りつめ、使用する花穂の長さが7cmとなるように上段から切りつめ、40〜45粒を着粒させることで、花穂長にかかわらず密着した外観の優れた果房を作ることができる。

園芸研究所・果樹部・果樹品種研究室   [連絡先]092-922-4111
[部会名]園 芸   [専門]栽培  [対象]果樹類  [分類]指導
 
[背景・ねらい]
 ブドウでは果実の食味だけでなく、果房の外観が商品性を決定する重要な形質であり、開花前の花穂の切りつめ程度は外観を決定する最も重要な要因である。
 「博多ホワイト」は純粋なヨーロッパ系品種であり、穂軸や果梗が軟らかいため、果粒間に隙間ができ、穂軸が見えるバラ房になりやすい。また、ブドウの花穂の長さは大きくばらつくため、花穂長にかかわらず、果房重が350〜400gの密着した円錐形の果房を作ることのできる花穂の切りつめ方法を確立する。
 
[成果の内容・特徴]
 1 花穂先端の切りつめ程度を2cmとし、使用する花穂の長さを7cmとして、40〜45 粒を着粒させると花穂長にかかわりなく、着粒の密度、房型とも良好な果房が得られる(表1)。しかし、使用する花穂の長さを 9cmとした場合には、花穂長16cm未満の  果房ではやや粗着となる(表1)。
 
 2 花穂先端の切りつめ程度を4cmとすると、花穂長16〜18cmの花穂で7cm使用する場合だけ良好な果房となるがその他の場合は着粒がやや粗着となり、房型の良否は1.5程度になって果房の外観が悪くなる(データ略)。
 
[成果の活用面・留意点]
 1 「博多ホワイト」の優良果房生産のための指導資料として活用できる。
 
[具体的データ]
 
[その他]
 研究課題名:新品種「宝満」、「博多ホワイト」、「翠峰」及び「陽峰」の栽培技術の確立
 予算区分:経常
 研究期間:平成10年度(平成5〜10年)
 研究担当者:平川信之、白石美樹夫、井樋昭宏、粟村光男、鈴木勝征、能塚一徳
 発表論文等:平成 9年度園芸研究所果樹部果樹関係試験成績書