シンテッポウユリ「ふくれん西尾1号」の6月下旬〜7月上旬出し栽培

[要約]
 シンテッポウユリ「ふくれん西尾1号」の促成栽培では、11月上旬に播種して無加温で育苗し、2月中旬に施設内に定植した後、夜間最低10℃に加温して栽培すると、花数2輪以上の切り花が6月下旬〜7月上旬をピークに収穫できる。

 園芸研究所・野菜花き部・花き花木研究室 [連絡先]092-922-4111
 [部会名]園  芸 [専門]栽 培   [対象]花き類 [分類]普 及
 
[背景・ねらい]
 シンテッポウユリは実生による露地栽培で8〜9月に出荷できるため、水田転作花きとして生産が増加している。しかし、従来の作型は8月出し露地栽培が中心で、作期の拡大が求められていたことから、露地および無加温ハウスにおける7〜9月出し栽培技術の確立を行った(平成9年度成果)。最近では、施設を利用したシンテッポウユリの生産が増加する傾向にあり、さらに出荷期の前進化が求められている。そこで、6〜7月出し栽培のための施設の温度管理や日長処理法について検討し、開花調節技術を確立する。(要望機関名:飯塚普、生産流通課(H8))
 
[成果の内容・特徴]
 1 シンテッポウユリ「ふくれん西尾1号」の促成栽培では、11月上旬に播種して無加温で育苗した苗を、2月中旬に施設内に定植し、夜間最低10℃に加温して栽培すると6月下旬から7月上旬をピークに収穫できる(図1、表1)。
 
 2 促成栽培での開花株率は、6月下旬から7月上旬までは71%、また7月末までの総計は83%であり、花数2輪以上の品質のよい切り花が収穫できる(表1)。
 
[成果の活用面・留意点]
 1 シンテッポウユリの切り花生産地における作期拡大のための技術資料として活用できる。
 2 定植後に夜間8時間の電照を行って栽培すると6月中旬から収穫できるが、株当たり花数が減少して切り花品質が低下する。
 3 セル成型トレイを利用した育苗時の施肥方法については、平成9年度成果「シンテッポウユリのセル成型育苗における肥効調節型肥料の施肥方法」を参照する。
[具体的データ] 
 
[その他」
 研究課題名:シンテッポウユリの施設栽培技術
 予算区分:経常
 研究期間:平成10年度(平成9〜10年)
 研究担当者:松井 洋・谷川孝弘・國武利浩
 発表論文等:平成9〜10年度園芸研究所野菜花き部花き花木研究室試験成績書