促成ナス「筑陽」のロックウール栽培適応性

[要約]促成ナス「筑陽」は、ロックウール栽培でも適応性があり土耕栽培よりも収量が多い。また、播種期が早いほど収量は多く、播種を6月中下旬に行うと10a当たり収量は18〜19tとなる。


園芸研究所・野菜花き部・野菜栽培研究室 [連絡先]092−922−4111
[部会名]園芸 [專門]栽培 [対象]果菜類 [分類]普及


[背景・ねらい]

ナス栽培では、生産安定のために堆肥等良質有機物の投入や深耕等の土づくりに多大な労力を要し、また、促成栽培では高温期に定植するため、連作圃場では青枯病の発生が問題になっている。このため、土づくりの手間を省き、青枯病等土壌伝染性病害を回避できる生産システムの確立が望まれており、その一つとして養液栽培が注目されている。そこで、既存のロックウール生産システムを用いて、本県の主要品種である「筑陽」における養液栽培適応性を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

1促成ナス「筑陽」では6月19〜20日に播種を行った場合、ロックウール栽培では接ぎ木の必要がなく、生育が早いため、育苗日数が土耕栽培より約25日間短くなる(表1)。
2 6月下旬に播種した「筑陽」のロックウール栽培は、定植期が早くなるため土耕栽培よりも収穫開始期が2週間早く、収量は土耕栽培よりも年内収量、総収量ともに多い(表1)。
3 播種期が早いほど収穫開始期が早くなり、6月中下旬播種では12月までに10a当たり5〜7tの収量を確保できる。6月中下旬に播種した場合の総収量は18〜19tである(表2)。

[成果の活用面・留意点]

1 養液栽培技術の参考資料として栽培技術指針に登載し、活用する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:促成ナスの養液栽培技術の確立
予算区分:経常
研究期間:平成9年度(平成7〜8年)
研究担当者:満田幸恵、山本幸彦、月時和隆
発表論文等:平成7・8年度園芸研究所野菜花き部野菜試験成績書