コンニャクの根腐病防止技術

[要約]コンニャクの根腐病は、パンソイル粉剤を植え付け時と培土時にそれぞれa当たり2kgずつ土壌混和するか、またはリドミル粒剤を植え付け時にa当たり1.5kg土壌混和すれば発生が抑えられ、多収となる。また、これらの薬剤処理と葉ネギとの混作を組み合わせると被害株率の軽減に有効である。

八女分場・中山間地作物研究室 連絡先 0943ー42ー0292
[部会名]園 芸 [専門]栽 培 [対象]コンニャク [分類]普及

[背景・ねらい]

福岡県の中山間地におけるコンニャクの栽培は自家消費を目的に林間や畑地の周辺で僅かに栽培されているのが現状である。近年、手づくりコンニャクとして評価が高まっているが、これらの原材料の大部分は主産地である群馬県や広島県から購入されている。
コンニャクは、地元で生産・加工することによって付加価値が高まるが、コンニャクの主要病害である根腐病の発生が多いため、ますます栽培面積が減少している。そこで、根腐病防止技術を確立し、コンニャクの安定栽培を図り、中山間地の農業経営の安定化を目指す。

[成果の内容・特徴]
@ コンニャクの根腐病は、パンソイル紛剤を植え付け時に2kg/aと培土時に同量土壌混和 処理するか、またはリドミル粒剤を植え付け時に1.5kg/a土壌混和処理すれば被害株率が低 くなり、上いも1個重が重くなり多収となる。
A また、葉ネギと混作すれば根腐病の被害株率が低く、上いも1個重が重くなり多収となる

(表1)。

B 薬剤処理に葉ネギの混作を組み合わせた場合、薬剤処理のみよりも被害株率が低く、上い も1個重が重くなり多収となる(表1)。

[成果の活用面・留意点]
@コンニャク栽培の指導資料として活用する。
A葉ネキとの混作による根腐病の抑制効果の安定性については更に検討を要する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :コンニャクの高位安定生産技術
予算区分 :経常
研究期間 :平成8年度(平成5〜8年)
研究担当者 :成清 潔、執行明久、大賀康之
研究論文等 :平成5〜8年度 八女分場中山間地作物研究室試験成績概要書