中山間地域におけるリーフレタスの年5回採り栽培
 
[要約]
 標高340m程度の中山間地域では、リーフレタスの品種「フリルアイス」、「晩抽レッドファイヤー」、「レッドファイヤー」を組み合わせることで、同一圃場で年最高5回採りが可能である。「フリルアイス」の最適な施肥量(三要素)と栽植密度は、6月採りで10a 当たり24kgで5,900株、9月採りでは12kgで5,900株である。
 豊前分場・普通作物・野菜研究室    [連絡先]0930-23-0163
[部会名]園  芸 [専 門]栽  培   [対 象]葉菜類  [分 類]普 及
 
[背景・ねらい]
 福岡県の平坦地におけるレタス栽培は、気温の高い7〜9月に栽培すると抽だいするため収穫期は10月中旬〜6月中旬が一般的であり、作付体系は年3回採りが最高である。  そこで、標高の高い中山間地域で冷涼な気候を活かし、平坦地よりもさらに高度なリーフレタスの周年栽培技術を確立し、現地で実証する。
 
[成果の内容・特徴]
 1 標高340m程度の中山間地域では、6月採りで「フリルアイス」および「晩抽レッドファイヤー」、9月採りで「フリルアイス」、11月採りで「晩抽レッドファイヤー」、2、4月採りで「レッドファイヤー」を用いることで、同一圃場でリーフレタスの年  5回採りが可能である(図1)。
 
 2 「フリルアイス」の6月採りでは、10a 当たり三要素施肥量各24kg以上で収量が優れる傾向にあり、裁植密度を10a 当たり5,900 株とすることで調製重が優れる。9月採りでは、施肥量を各24kgまで増やしても調製重や収量に影響は認められず、  裁植密度を10a 当たり5,900 株とすることで調製重が優れる(表1)。
 
[成果の活用面・留意点]
 1 中山間地域のリーフレタスの高度作付体系に活用する。
 2 9月採り、6月採りは抽だいがはやく収穫適期幅が短いので、採り遅れないように注意する。
 3 冬季は標高の低い地域に比べ、温度が下がるので保温に努める。
 4 11月、2月、4月採りの施肥量、栽植密度は現地の慣行に準ずる。
 5 夏場の台風対策として寒冷紗をべた掛けする。
[具体的データ]
 
[その他]
 研究課題名:夏秋野菜の高品質栽培技術の確立
       リーフレタスの高度作付け体系の確立
 予算区分:県特
 研究期間:平成10年度(平成7〜10年)
 研究担当者:林田達也、柴戸靖志、尾形武文
 発表論文等:平成7〜10年豊前分場野菜試験成績書