トマトの少量培地耕におけるモミガラやヤシガラの混合による培地の低コスト化と適応性

[要約]
 イチゴの高設栽培用容器を利用したトマトの少量培地耕における培地として、園芸培土にモミガラやヤシガラを混合すると、園芸培土に比べて保水力は低下するが、経費が安く、この培地を用いた場合も収量や品質に差はない。

園芸研究所・野菜花き部・野菜栽培研究室   [連絡先]092-922-4111
[部会名]園  芸   [専門]栽 培  [対象]果菜類  [分類]指導
 
[背景・ねらい]
 高糖度のトマトを生産するために隔離床栽培が開発されているが、培地量が多く作業性の面で問題となっており、低コストで培地量の少ない隔離床を用いた栽培技術(少量培地耕)の確立が望まれている。
 そこで、イチゴの高設栽培用容器を利用した少量培地耕(1.3@/株)において、トマトの育苗に使用される園芸培土にモミガラやヤシガラを容積で30%(一般的な有機物の混合割合)混合した培地を用い、3段摘心栽培への適応性を明らかにする。
 
[成果の内容・特徴]
 
 1 園芸培土にモミガラやヤシガラを容積で30%混合することで3割程度軽くなるが、保水力は低下する(表1)。しかし、トマトの秋冬どり栽培において、混合培地と園芸培土を比べると、かん水量が同程度では収量や品質に差はない(表2)。
 
 2 モミガラやヤシガラを混合することで、株当たりの培地の経費がそれぞれ3割および1割程度安くなる(表1)。
 
[成果の活用面・留意点]
 1 養液栽培技術の資料として福岡県養液栽培の手引きに登載できる。
 
[具体的データ]
 
[その他]
 研究課題名:トマトの少量培地耕栽培技術の確立
 予算区分:経常
 研究期間:平成10年度(平成9〜10年)
 研究担当者:山本幸彦、月時和隆、石坂 晃、満田幸恵
 発表論文等:平成9、10年度 園芸研究所 野菜花き部 野菜試験成績概要集