抑制栽培に適するわい性莢インゲン「テセオ」の特性

[要約]
 わい性莢インゲン抑制栽培(8月中旬〜9月上旬播種)に適する品種は「テセオ」が有望であり、収穫時期別の収量の変動は少なく安定して多収である。莢の表面は滑らかで斑紋が無く、「キセラ」に比べて莢が重く品質が優れる。 

 豊前分場・普通作物・野菜研究室   [連絡先]0930-23-0163
[部会名] 園 芸  [専 門]育 種  [対 象]果菜類  [分 類]普 及
 
[背景・ねらい]
 県北地域では、水田の高度利用を図る目的で、トンネルや施設を必要とせず、軽量で、栽培管理に労力がかからないわい性莢インゲンの導入が図られている。現在、最も普及している栽培品種「キセラ」は、莢が細く軽いことから市場評価が低く、莢が重く品質の優れる品種が強く望まれている。
 そこで、わい性莢インゲンの抑制栽培において、莢が重く品質が優れ、安定して多収を示す品種を選定する(飯塚普、京都普、築上普:H9)。
 
[成果の内容・特徴]
 抑制栽培(8月中旬〜9月上旬播種)に適するわい性莢インゲン「テセオ」は、次のような特性を有する。
 
 1 収量は「キセラ」と同等であるが、「サマーキセラ」より30〜40%多い(表1)。
 
 2 収穫期間における旬別収量の推移は「サマーキセラ」や「キセラ」と同様である(表1)。
 
 3 莢の長さ10〜16cmにおける莢の重さは3.1〜5.8gであり、長さ別の重さは「サマーキセラ」や「キセラ」に比べて重い(表2)。
 
 4 莢に斑紋は無く、基部の太さが‘中’で、莢の表面は滑らかであるなど、品質が総合的に優れる(表3)。
 
[成果の活用面・留意点]
 1 福岡県野菜推奨品種一覧表に登載できる。
 2 水田転換畑や畑地に導入できる。
 3 発芽期や開花期が乾燥する年は潅水する。
 
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名:抑制栽培におけるわい性莢インゲンの品種選定
予算区分:経常
研究期間:平成10年度(平成9〜10年)
研究担当者:柴戸靖志、林田達也、浜地勇次、尾形武文