ナス「筑陽」の垣根仕立てにおける最適主枝本数と作業姿勢の改善

[要約]
 ナス「筑陽」養液栽培において垣根仕立てを採用する場合、畝幅 1.1m、株間 66cm、株当たり主枝本数を2本にすると慣行と同等の収量、品質が得られ、作業性は慣行のV字仕立てより改善される。

 園芸研究所・野菜花き部・野菜栽培研究室 [連絡先]092-922-4111
 [部会名]園  芸  [専門]栽 培  [対象]果菜類  [分類]指導
 
[背景・ねらい]
 促成ナスの養液栽培では主枝はV字仕立てが行われ安定した収量、品質が確保されている。しかし、収穫後期の4〜7月には通路の上面がナスの茎葉で覆われ、作業空間が狭く腰を曲げた作業が長時間に及ぶため整枝法の改善が望まれている。そこで、主枝を畝方向に平行に誘引する垣根仕立てにおいて、最適主枝本数を明らかにするとともに、作業姿勢の改善を図る。
 
[成果の内容・特徴]
1.ナス「筑陽」の養液栽培における垣根仕立てでは、畝間1.1m、株間66cmで株当たり主枝2本仕立てとすると、10a当たり総主枝数が2,800本となり、年内収量は慣行よりやや 多く、総収量は同等となる(表1)。
 
2.株当たり主枝本数を2本とした垣根仕立ての不良果発生率は慣行と同等で、上中物率においても差はみられない(データ略)。
 
3.垣根仕立ては主枝を畝方向に平行に誘引するため立ち姿勢が多く、慣行のV字仕立てに比べ収穫及び整枝の作業性が良い(データ略)。
 
[成果の活用面・留意点]
1.促成ナス栽培技術の参考資料として栽培技術指針に登載し、活用できる。
2.垣根仕立て栽培の苗数は、1400本/10aとなり、慣行(V字2本仕立て)の場合と比較するとほぼ同等であるが、慣行(V字4本仕立て)と比較すると1.7倍が必要である。
3.垣根仕立ての側枝整枝法は1芽どり整枝法とする。
 
[具体的データ]
 
[その他]                          
 研究課題名:促成ナスの養液栽培技術の確立
 予算区分:県単
 研究期間:平成10年度(平成7〜9年)
 研究担当者:山本幸彦、月時和隆、満田幸恵
 発表論文等:平成7〜9年度 園芸研究所 野菜花き部 野菜試験成績書