製茶機を有効利用した食品加工用微粉末茶の製造法 |
〔要約〕遮光率80%の資材で被覆した二番茶葉を、より手を外し、煎茶製造時よりも熱風温度を5℃程度高く、風量を30%程度多く設定した粗揉機のみで製茶し、振動ミルで粉砕すると、高品質な抹茶様微粉末茶を製造できる。 |
八女分場・茶研究室 |
連絡先 |
0943-42-0292 |
部会名
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農 産
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専門
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加工利用
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対象
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茶
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分類
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指 導
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〔背景・ねらい〕
近年、茶の機能性が明らかになるにつれ、飲用するだけでは得られない機能性成分を摂取することを目的とした”食べる茶”が、特に食品加工分野で求められている。そこで、需要に対応した食品加工用として十分な品質を持つ抹茶様微粉末茶を得るため、ここでは二番茶の有効活用と既存の設備を有効に利用した、 高付加価値茶の製造法を明らかにする。
〔成果の内容・特徴〕
1.原料とする生葉は、遮光率80%の資材で一週間程度被覆すると品質が良い( 表1)。
2.蒸熱時間は、45秒程度に短くする方が品質が良い( 表2)。
3.粗揉機は、煎茶製造時よりも熱風温度を5℃程度高く、風量を30%程度多く設定する( 表3)。
4.製造した抹茶様微粉末茶の卸売価格は、1s当たり3,000円程度であり、通常の被覆した二番茶に比べ、経営的に優利である。
〔成果の活用面・留意点〕
1.振動ミルによる粉砕加工の原価は、150〜200円/kgである。
2. 遮光率80%の被覆資材で1週間遮光した生葉を60秒間蒸熱し、熱風温度を5℃程度高く、風量を20%程度多く設定した35s型製茶機械を用いて製造した微粉末茶は、卸売単価が3,500円/sであった。
〔その他〕
研究課題名:新製茶技術の開発
予算区分:経常
研究期間:平成11年度(平成9〜11年)
研究担当者:森山弘信、中村晋一郎、松田和也、堺田輝貴
発表論文等:平成10、11年度 福岡県農業総合試験場八女分場茶試験成績書
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