水稲品種「つくし早生」の食味向上のための最適籾数、収量と穂肥の施用法
[要約]
水稲品種「つくし早生」の食味向上のための玄米中タンパク質含有率は6.9 %未満で、その時のu当たり籾数は2.7万粒未満、収量は56.0kg/a未満である。穂肥は、慣行の2回目を省略するとタンパク質含有率が低下し、食味が向上する。
豊前分場・普通作物・野菜研究室 [連絡先] 0930-23-0163
農産研究所・栽培部・作物栽培研究室 [連絡先]092-924-2848
[部会名]農 産 [専門]栽 培 [対象]稲 類 [分類]普 及
[背景・ねらい]
早生の良食味品種「つくし早生」の食味と玄米中のタンパク質含有率との関係を検討 し、食味向上のための最適籾数、収量および穂肥の施用法を明らかにする。(要望機関 名:行橋農林(H8) 京都普、農業振興課(H9))
[成果の内容・特徴]
1 食味総合評価の下限値を−0.2(「コシヒカリ」基準、0.00)とした場合、これに
対応した玄米中のタンパク質含有率(水分15%換算)は6.9%である(図1)。
2 タンパク質含有率からみて、食味向上のためのu当たり籾数は2.7万粒未満、収量
は56.0kg/a未満である(図2、3)。
3 慣行穂肥の2回目を省略して1回穂肥とすると、玄米中タンパク質含有率が平均
で 0.3%程度低下し、食味が向上する。なお、9試験地の平均では収量への影響はほとんど認められない(表1)。
[成果の活用面・留意点]
1 水稲栽培技術指針および水稲施肥基準に登載し、「つくし早生」の食味向上を図ための資料として活用できる。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:水稲早生新品種「つくし早生」の良質安定栽培技術
「つくし早生」の窒素吸収特性の解明と生育診断法の確立
予算区分:経常
研究期間:平成10年度(平成9〜10年)
研究担当者:岩渕哲也、田中浩平、尾形武文、濱地勇次、大賀康之
発表論文等:平成9〜10年度 福岡県農業総合試験場 作物部会 夏作試験成績概要書