玄米粒厚別の食味と理化学的特性

[要約]
 玄米の粒厚が2.0mm以上の範囲では粒厚の違いによる食味の差は小さいが、粒厚が2.0mm未満では粒厚が薄くなるにしたがい食味は劣り、特に、粒厚が1.9mm未満になると食味と理化学的特性は著しく劣る。なお、1.7mmの網目調製では整粒歩合が低下し、食味が劣る。

 農産研究所・栽培部・作物品種研究室 [連絡先]092−924−2848
 [部会名]農  産  [専門」育種 [対象]稲類   [分類]指導
 
[背景・ねらい]
 玄米の粒厚の違いは直接、貯蔵物質の充実度を反映していることから、米の食味と理化学的特性にも影響を及ぼしている。
 そこで、良食味米生産技術を確立するために、玄米粒厚別の食味と理化学的特性を明らかにする。
 
[成果の内容・特徴]
 1 粒厚が2.0mm以上の範囲では粒厚の違いによる食味の差は小さいが、粒厚が2.0mm未満では粒厚が薄くなるにしたがい食味総合評価は劣り、特に粒厚が1.9mm未満になると食味と検査等級は著しく劣る(表1)。
 
 2 粒厚が薄くなるにしたがいタンパク質含有率は増加し、逆にアミロース含有率は低下する。アミログラム特性値及びテクスチャー特性は粒厚が1.9mm以上の範囲内では粒厚の違いよる差は小さいが、粒厚が1.9mm未満になると大きく劣る(表2)。
 
 3 縦線の網目を1.7mmで調製すると整粒歩合が著しく低下して、食味は劣る(表3)。
 
[成果の活用面・留意点]
 1 水稲栽培技術指針に登載し、良食味米生産のための米の調製に際しての知見として活用できる。

[具体的データ]

[その他]
 研究課題名:水稲品種の食味試験
 予算区分:経常
 研究期間:平成10年度(平成10年度〜継続)
 研究担当者:松江勇次、内村要介、佐藤大和
 発表論文等:平成10年度 福岡県農業総合試験場作物部会夏作試験成績概要書