福岡県農業総合試験場研究報告17(1998) pp 150 - 153
 
交雑種去勢牛の肥育用混合飼料における専管フスマ混合割合が乾物摂取量、増体及び肉質に及ぼす影響
徳満 茂・後藤 治1)
(畜産研究所)
 
[摘要]肥育用混合飼料における専管フスマの混合割合が乾物摂取量、増体と肉質に及ばす影響を明らかにするため、交雑種去勢牛21頭を用いて肥育試験を行った。各肥育期の専管フスマの混合割合は、前期では全区に濃厚飼料原物中の10%とし、中期及び後期では0%(0%区)、10%(10%区)及び20%(20%区)とした。なお、混合飼料のTDN水準は前期(生後約10〜14ヵ月齢)では74.5%、中期(約14〜19ヵ月齢)及び後期(約19〜25ヵ月齢)では79.4%とした。@肥育終了の25ヵ月齢体重は0%区に比べて10%区及び20%区は約670sと重く、乾物摂取量、TDN摂取量及び日増体重とも、10%区及び20%区が多い傾向を示した。また、その養分要求量及び充足率は、中期までは各区ともほば同じであったが、後期は20%区が高い傾向を示した。A25ヵ月齢時のロース芯面積、脂肪交雑(BMSNo)及び肉色(BCSNo)は専管フスマの混合割合が増えると向上するが、第一胃絨毛の欠損や接着塊の出現率が増加した。B以上より、交雑種去勢牛の肥育において肉質及び飼料の利用性向上を図るには、専管フスマの混合割合は濃厚飼料中の20%程度以内に抑え、一般フスマとの等量混合が良いことを明らかにした。
[キーワード:交雑種去勢牛、肥育期、TDN水準、養分要求量、専管フスマ、肉質]
 
 Effects of Wheat bran on Energy Requirements, the Dry Matter Intake and the Meat Quality of Cross-Bred Steers (Japanese Black × Holstein). TOKUMITSU Shigeru, Osamu GOTO(Fukuoka Agricultural Research Center, Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent.,17: 150 - 153 (1998)
[Key word : cross-bred, fattening, wheat bran, energy requirement, meat quality, TDN level]
 
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