福岡県農業総合試験場研究報告17(1998) pp 129 - 132
 
キウイフルーツの土壌水分管理が果実品質及び樹の生育に及ぼす影響
牛島孝策・千々和浩幸・林 公彦
(園芸研究所)
 
[摘要]キウイフルーツの‘ヘイワード’を供試して、梅雨明け後の7月中旬から収穫期の11月上旬までの土壌水分をフィルムマルチ処理及びかん水によって制御し、土壌pF、葉の最大水ポテンシャル、果実の横径及び炭水化物含量の経時変化と収穫後に追熟させた果実の品質を調査した。さらに、前年の土壌水分管理が翌年の樹の初期生育に及ばす影響を調査した。土壌水分を7月中旬〜8月まではpF2.3〜2.5の湿潤に、9月〜11月上旬まではpF2.7〜2.9の乾燥状態に保つことにより、果実肥大に影響なく果実の炭水化物含量が増加し、収穫時及び追熟後の果実糖度が高くなった。また、葉の最大水ポテンシャル値と土壌pF値は相関が高く、葉の最大水ポテンシャル値により土壌の乾湿程度を推定できることが示唆された。7月中旬〜8月までの土壌水分をpF2.7程度の乾燥状態にすると結果母枝が細くなり翌年の新梢の初期生育が劣るが、9月〜11月上旬までを同様な乾燥状態にしても樹の生育に及ばす影響はなかった。
[キーワード;キウイフルーツ、土壌水分、葉の最大水ポテンシャル、果実品質、樹の生育]
 
 Effects of Soil Moisture on Fruit Quality and Tree Growth in Kiwifruit. USHIJIMA Kosaku, Hiroyuki CHJIWA and Kimihiro HAYASHI (Fukuoka Agricultural Research Center, Chikushino, Fukuoka 818-8549, Japan) Bull. Fukuoka Agric. Res. Cent.,17: 129 - 132 (1998)
[Key word : fruit quality, kiwifruit, soil moisture, tree growth, water potential]
 
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