福岡農総試研報B−13 Bull.
Fukuoka Agric.Res.Cent.B−13:35〜39(1994)


トルコギキョウの11〜12月出し栽培における育苗期及び定植期の高温の影響

坂井康弘・小林泰生・谷川孝弘
(園芸研究所野菜花き部)


 トルコギキョウは,育苗期に高温に遭遇するとロゼット化し,抽台,開花抑制等の高温障害が発生することが報告されている。本試験においては,高温障害が発生する播種期の限界及び播種直後,定植期の高温の影響について明らかにした。 
 5月以降に播種する場合,育苗期の高温のためロゼット株が発生して開花率が著しく低下する等高温障害が発生する。7月上旬に播種し冷房育苗を8週間行うと高温障害は回避され,11〜12月出し栽培が可能である。しかし,播種直後に7日間以上高温に遭遇した場合には,それ以降冷房育苗を行っても抽台が遅れ開花株率が低下した。7月下旬播種では冷房育苗を行っても12月末日までに開花しなかった。
 また,幼苗期に冷房育苗を行って高温障害を回避した苗は,定植後の高温によって捕台が促進された。抽台促進の下限の気温は25℃程度と考えられ,9月下旬以降に定植する場合にはビニルトンネルで被覆することによって抽台,花芽分化が促進された。

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