福岡農総試研報 B−13 
Bull.Fukuoka Agric.Res.Cent.B−13:11〜14(1994)


ナス栽培における品種,作型と果形の変化

小野剛士・柴戸靖志・山本幸彦・豆塚茂実 
(園芸研究所野菜花き部) 


 長ナスの周年生産において,果形を表わす指標の確立を目的として,品種,作型,収穫時期が果形変化に及ぼす影響について明らかにした。果実は肥大に伴い果重,首部果径,最大部果径が増加するが,このうち首部果径の変化は少ない。このため,首部果径/最大部果径の値は果実の肥大に伴って低下する。促成栽培では,果長を18〜20cmとして収穫した場合,首部果径/最大部果径の値は,気温の上昇に伴って,大きくなり,雨よけ露地栽培では,その値は気温の下降に伴って,小さくなる傾向が認められた。‘筑陽’は‘黒陽’に比べて首細果の発生は少なく,作型には関係しないことから,品種の違いが果形に及ぼす影響が大きいことを示している。首部果径/最大部果径の値を用いることにより,果形の特徴を表わす指標となり,果実生産技術改善に利用できる。 

[キーワード:ナス,品種,作型,首細果,果形]


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