福岡農総試研報 B−13 
Bull.Fukuoka Agric.Res.Cent.B−13:49〜52(1994)

イチジクの一文字整枝における温度障害の発生防止

粟村光男・正田耕二
(豊前分場)


 イチジク‘桝井ドーフィン’の一文字整枝で発生する温度障害の要因と防止対策について明らかにした。 
1 樹上の芽が,発芽期前後に−3℃以下の低温に遭遇すると,発芽障害が発生した。この発芽障害は,低温遭遇後の解凍温度が高いほど助長された。低温障害の防止には,樹体を,わらや防寒専用資材等の断熱効果のあるもので被覆すると効果が高かった。 
2 主枝背面部が,新梢が十分に伸長していない5〜6月に直射日光を受けると高温になり,組織が崩壊する障害が発生した。高温障害の防止には,5月以前に反射シート等の資材で,主枝背面部を被覆すると組織崩壊の拡大を抑制できた。一旦高温障害が発生すると果実の生産性が低下するので,被覆処理はまだ障害が発生していない樹に対して行う。

[キーワード:イチジク,‘桝井ドーフィン’,一文字整枝,温度障害,防止対策]


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