前のページへ戻る<<<
福岡県農林産物知的財産権センター
 
 
 新品種の開発には、専門的な知識、技術に加え、長期にわたる労力と、多額の費用が必要です。しかし、新しく育成された品種は、自家採種や挿し木等によって、簡単に増やすことができます。

 新品種を、他人が自由に増やして売買したならば、その品種を作った人は新品種開発に対する投資を回収することが難しくなります。そうすると、その人には苦労して新品種を開発するメリットが無く、品種の開発をやめてしまうでしょう。それでは、優れた新品種を作った人がそれに見合うだけの対価を得て新たな品種開発の意欲を高める、といったことが期待できなくなり、農業の発展の妨げとなります。

 そこで、新品種開発の振興と種苗流通の適正化を図り、それによって農業を振興するため、品種は種苗法に基づく
「品種登録制度」によって保護されています。
品 種 登 録 制 度 の 概 要  

1.品種登録の要件等

 どのような作物が品種登録の対象になるのでしょうか? また、品種登録には、どのような要件があるのでしょうか?

2.出願から登録まで

 品種登録を願い出ることを品種登録の出願といいます。出願してから登録されるまでに、どのような手続きがあるのでしょうか? また、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?

3.育成者権の保護、活用について

 登録された品種には、「育成者権」が発生します。育成者権は、どのような権利なのでしょうか? また、育成者権はどのように行使されるのでしょうか?

最  近  の  動  向


「ひのみどり」の輸入差し止め

  い草品種「ひのみどり」の育成者権を持つ熊本県は、DNA鑑定の結果、中国で同品種が無断で栽培されている疑いがあり、国内へ同品種を使った畳表が輸入される恐れがあるとして、平成15年12月2日に、長崎税関へ関税定率法に基づく輸入差し止めを申し立てました。
 平成15年4月の関税定率法の改正により、無断栽培品の輸入の差し止めが可能となり、今回の事例はこれに基づく初めての差し止め事例です。



 種苗法施行規則(別表第4)の改正

 農業者(農業者個人と農業生産法人)が登録品種の種苗を用いて収穫物を得、その収穫物を自己の農業経営においてさらに種苗として用いること(自家増殖)には、原則として育成者権が及びませんが、
 ① それを制限する契約を結んだ場合
 ② 省令で定める栄養繁殖性植物に属する登録品種の自家増殖については、育成者権が及びます。

 平成18年8月1日に、種苗法施行規則の一部が改正され、自家増殖に育成者権が及ぶ植物の範囲が拡大されました。改正された施行規則は平成19年8月1日から施行されます。施行後は、対象植物が23種類の植物から82種類の植物に拡大されます。
 対象植物の種類など詳しくは、こちらをご覧下さい。



 種苗法の改正

 種苗法の一部を改正する法律が第162回国会において成立し、平成17年6月17日に公布されました。今回の法改正のポイントは、以下の通りです。
 
(1)加工品への育成者権の拡大
 育成者権の効力が及ぶ範囲が、加工品(種苗を用いることにより得られる収穫物から直接に生産される加工品であって、政令で定めるものをいう。以下同じ。)についての行為にも拡大されました。あわせて、加工品に係る育成者権を侵害した者を罰則の対象に追加されました。
 具体的にどのような加工品が対象となるかについては、政令で定められます。
 
(2)育成者権の存続期間の延長
 育成者権の存続期間が、果樹等の永年性植物については30年、その他の植物については25年に延長されました。
 この改正は、改正法の公布の日から施行されています。平成17年6月17日以降品種登録された品種に係る育成者権については、延長された存続期間が適用されます。
 


 種苗法の改正

  種苗法改正案が、平成15年6月に国会で可決、同年7月から施行されました。今回の法改正のポイントは、以下の通りです。

(1) 罰則の対象範囲の拡大

 育成者権の侵害に対する罰則の対象を、種苗段階の権利侵害に加え、収穫物段階での権利侵害まで拡大。

(2) 法人による育成者権の侵害に対する罰金の引き上げ

 法人に対する罰金額の上限を、300万円から1億円に引き上げ。